キャッチ―なコピーで心をとらえる名作CM、アイフルのツーリング編

1978年に設立された、消費者金融のアイフル。社会的なニーズも手伝って、事業規模を順調に、拡大しました。当時革新的だった無人契約機などが、日本中至る所で見られるほど、アイフルは多くの店舗を展開していきます。特に、アイフルと言えばCMが有名ではないでしょうか。そのキャッチ―なコピーと、ユーモアのあるコンセプトが時代の波を確実にキャッチして、一度見たら忘れられない名作CMをいくつも作りだしました。

そんな中でも、特に印象深かったのが、2001年から放映されていたCM「どうする?アイフル」シリーズです。このシリーズのツーリング編は、15秒ほどの短いCMの中で、特に強いインパクトを与えていました。主人公の若い男性が、電話を取ると、友人がツーリングに誘ってきます。もちろん、そんな楽しいイベント、若者が逃すはずはありません。当日、勢い込んで集合場所に行くと、みんなはバイクに跨っています。かたや、自分はダサい服装と普通の自転車…唖然としている若者に「どうする?アイフル!」のキャッチ―なコピーが被さります。

このCMのメッセージは、シンプルです。みんなと、ツーリングに出かけたい!でも、バイクを何とか調達しなくては!どうしよう?と困っているところで、アイフルがこの状況を助けます!というPRです。事実、お金を比較的簡単に借りられる消費者金融は、こういったピンチに重宝します。そのメリットを、哀愁あふれる主人公の若者と、キャッチ―なコピーが見事に表現したCMだったのです。別パターンとしては、スキューバーダイビング編というのもありました。こちらも類似パターンで、ダイビングスーツを着込んだ友人たちと、シュノーケリングのみの若者、というコントラストが笑いを誘いました。

このような名作CMの効果は、抜群でした。アイフルはその後も、店舗数をどんどん伸ばしていきます。しかし、2005年、その強引な営業方法や取り立てが、非難されます。「アイフル被害対策全国会議」が被害者・弁護士などによって結成されるに至って、金融庁から2006年一定期間のアイフル全店舗の業務停止命令を受けてしまいます。その後、事業の見直し、改善などがなされます。その甲斐あってか、2007年には、自粛していたCMも再開されました。アイフルは今現在も、事業を通して、信頼回復に努めています。

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